part2 ポッドキャストを録音する
part2では、Podcast の録音方法や機材について解説していきます。
Podcast をどうやって録音するかについては様々な方法が考えられますが、ここでは ”手軽に、かつ、ある程度の音質で録音ができる” というところ主眼をおいて考えていきたいと思います。
また、Podcast の収録は、どこかの場所に集まってやるという場合もあれば、自宅からスカイプなどを利用して遠隔で収録することも出来ます。実際私たちのPodcastでも何度かスカイプを使って録音した回があります。スカイプでの収録方法については、また別の機会を設けて説明したいと思いますので、今回は会議室や自分の部屋に集まって録音することを想定して説明していきます。
■Chapter 1: おすすめ録音機材
どこかに集まって対面で録音する場合、やはり手軽なのは IC レコーダーを用意してそれに向かって2人でしゃべる方法です。IC レコーダーにもピンからキリまであり、最近のものはどれも性能が良いですが、コストと音質のバランスを考えると、私のお勧めは、ZOOMというメーカーの『H1』というレコーダーです。
バンドマンにはおなじみのメーカー・ZOOMさん。この録音機材は『リニアPCMレコーダー』とカテゴライズされるものです。
Podcastの録音に『H1』をお勧めする理由はいくつかあります。
H1のこココが好き(1):小型で持ち運びに優れている
大きさは大体折りたたんだガラケーぐらいで、手のひらに収まるサイズです。これにステレオマイクが付いているので2人で録音する場合は、机の上にこの『H1』を置いておけばそれだけでスタートできます。
H1のこココが好き(2):操作が分かりやすい
録音を開始するのは非常に簡単で、真ん中にあるRECボタンを押すだけ。また、録音を止めたいときも同じボタンを押せばストップ。非常に単純なオペレーションです。
H1のこココが好き(3):高音質で長時間録音
Podcast 録音後、PCで編集作業をすることを考えると、どういったフォーマットで録音するかということも大事ですが、H1はWAV ファイルでの録音とMP 3での録音の両方に対応しています。
WAVファイルの方が音はいいですがサイズは大きくなりますね。Podcastの録音のついては、MP3の音質で十分ではないかと思います。
H1は、購入の時点った段階では2GB のメモリカードが付属しています。この容量で最大どれくらい録音できるかというと、MP 3フォーマットで録音すれば2GB で35時間分ぐらい録音ができます。1回の録音が例えば1時間だとしても十分な容量と言えます。
メモリカードの容量は32GB まで対応してますので増やそうと思えばいくらでも増やせますが、podcastであれば2GBで十分でしょう。
H1のこココが好き(4):良い音で録音するための手軽なエフェクト
良い音で録音するために大事なポイントとして、「環境ノイズの低減」と「適切なレベルでの録音」が挙げられます。
ノイズの問題に関しては、一番の対策は極力静かで雑音のない部屋を用意するということ。また、空調の音なんかもかなり影響する場合がありますので、なるべく静かな環境を用意するのが1番大事なのですが、レコーディングスタジオでもなければなかなかそんな理想的な環境は用意できません。
そのため、録音時に機材側でノイズを制御することが必要になります。具体的には ”ローカット” と言われる機能(エフェクト)で 空調の音のような低周波数の音をカットすることが効果的です。
このような機能は、音楽を録音する専用の機材であればエフェクターとして同梱されている場合が多いですが、安価なIC レコーダーとかでは十分な対策はできないかもしれません。
しかしH1には、オンオフだけでローカットを有効にできるスイッチが付いていて非常に便利です。これをオンにしておくと、ある程度の低音域を録音の時点でカットしてくれます。私はPodcastの録音時には、このボタンを常時オンで使用しています。
もう一つのポイントである「適切なレベルでの録音」への対策もH1であれば簡単にできます。
録音レベルは大きすぎても小さすぎてもいけません。大きすぎるとそれはそのままノイズになり(面白くて笑った時なんかは録音レベルが上がりノイズになります)、小さすぎると環境音が多く入ってしまい「サーっ」というノイズが目立ってしまいます。
これらも、音楽用の録音機材などではリミッターとか、コンプレッサーとかの ”ダイナミクス系” のエフェクタで自動的に制御するのですが、H1にも自動で録音レベルを制御するスイッチがあるんです。
これをオンにしておくと特に細かに調整しなくても 自動で録音レベルを適切に制御してくれます。大きな音が入ってきたらそれを押さえつけ、小さな音の場合はそれがちゃんと聞こえるように音量を持ち上げてから録音してくれる、といった動きをします。これも私は常にON で使っています。
H1の何が優秀かというと、このように会話を良い音質で録音するにあたって気をつけておくべきことについて、最初からスイッチが用意されていて、それをONにしておけば、毎回録音ボタンをピッと押すだけで手軽に始められるというところです。非常にPodcast 収録に向いている機材だと思います。
■Chapter 2: お高いんでしょう?
気になるお値段ですが、私はアマゾンで新品を買いましたが、約8,000円~9,000円で購入できます。安いICレコーダーですと1000円 2000円で売ってるものもあるので、それを考えるとコストはかかりますが、いい音で録音することは ”聴きやすさ” に直結しますので、音質にはある程度気を使ったほうが良く、それがこの価格で実現できるのであれば、非常にコストパフォーマンスは良いと思います。
一つは、三脚です。録音はH1を机の上なんかに置いてやる場合が多いですが、直置きだとノイズが入りやすくなってしまいます。対策としては、専用の三脚を取り付けておくのがベターです。
もう一つは、マイクにかぶせるスポンジです。これは専門用語では『ウィンドスクリーン』と呼ばれるものです。マイクに向かって喋っているとき、どうしても ”フッ” という「吹かれ」が発生します。これが直接当たると耳障りなノイズになってしまいますが、ここにスポンジのカバーをかぶせるとその吹かれを防ぐことができます。これも可能であれば用意しておいたほうが良いです。
H1には、これらの三脚やウインドスクリーンがセットになったアクセサリー・パッケージが用意されています。これは約2,000円で購入できますので、できれば本体と一緒に用意しておきたいです。
ということで、Podcastの録音には、『ZOOM ハンディーレコーダー H1』を強くお勧めします。ご検討の一助となれば幸いです。
/////////////////////////////////////////////////////////////////////////
次回は、録音したPodcastの編集作業についてお話ししたいと思います。
makito