『積んでも、積んでも、その行為をどれだけ重ねても、その本が読まれなければ意味がない。たしかに君の言うことはもっともだ。人間が一生で読むことのできる文字数を完全に超えていることは私も認めている。ただそれは、あくまで20世紀の人生観がベースになっている。2020年の今でさえ、私達大人はその呪縛に囚われている。しかし、私達の子供達はどうだろう。成熟した21世紀後半の人生観に、死という概念は果たしてまだ残り、しがみついているだろうか?私は信じている。彼らはきっと新しい世界を生きるのだ。まだ人類が経験をしたことのない、いくら本を積んでも苦悩することのない、永遠の時代を。』 – newnakanostories
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『怪盗ニック対女怪盗サンドラ』 エドワード・D・ホック
タイトルとおしゃれなジャケットに誘われて、これまたまったく予備知識のない本を買ってきました。はたして、日本に何人この本を持っている人がいるのだろう。そんな考えに思いを馳せることができるのも積み本活動の醍醐味です。
「価値のないものだけを高額報酬と引き替えに盗む」という特殊な怪盗ということですが、パラパラとめくってみたら、『禿げた男の櫛を盗め』という話があって、こりゃあたしかに価値がないぜ!と一気に興味が湧いてきました。
価値のないものだけを高額報酬と引き替えに盗むニックに、ライヴァルが現われた!女怪盗サンドラ・パリス―“不可能を朝食前に”をモットーに、“白の女王”というニックネームを持つ天使のごとき美女だ。ニックとサンドラの出会いを描いた「白の女王のメニューを盗め」をはじめ、禿げた男の櫛や体重計など、奇怪なターゲットの数々にニックとサンドラが火花を散らせる短篇10作を収録し、文庫オリジナルで贈る傑作集。
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『太陽がいっぱい』 パトリシア ハイスミス
映画が有名な『太陽がいっぱい』の原作本です。主人公の性格など、映画と原作は結構ちがうとのこと。上記のようにジャケ買いもしつつ、こういった名作も漏らさず積んでおきましょう。きっといいなにかことがあるでしょう。
イタリアに行ったまま帰らない息子ディッキーを連れ戻してほしいと富豪に頼まれ、トム・リプリーは旅立つ。その地でディッキーは、絵を描きながら女友達マージとともに自由な生活をおくっていた。ディッキーに心惹かれたトムは、そのすべてを手に入れることを求め、殺人を犯す…巨匠ハイスミスの代表作。
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以上です。
この週末も大量入荷しましたので、またご紹介したいと思います。